私にとって学校では唯一の男友達。

 

告白は微妙さを増しただけだった。

 

平君はいつものように会話もなくすれ違う。

 

そして、いつものようにあとでmailをするだろう。

 

「今のは平君?」

 

平君が教室に戻り、見えなくなった。

 

愛や沙紀は平君と接点がなく顔さえよく知らない。

 

「そうだよ。」

 

「そっかぁ。」

 

二人は適当に尋ねるとまたカラオケの話を始めた。

 

 

カラオケまでの道のりで平君の事を思い出していた。

 

玲菜は“身近な人に片想いをすると100%フラれる”という勝手なジンクスを作っている。

 

またうまくいかなかった。

 

もう片想いなんてしない。

 

そんな誓いをたててみたりした。

 

今思えば、平君との出会いはパズルのピースのひとつだったのかもしれない。

 

それに気付くのはまだまだ先の話。

 

気付いたらカラオケの部屋の中だった。

 

「今日の玲菜は変だよ?」

 

「だよね〜」

 

心配そうな二人の顔。

 

「そうかな?」

 

と笑ってみせる。

 

「なんでも相談してよ?」

 

あねご肌の愛らしい。

 

「沙紀も笑わして元気にしてあげるよ?」

 

そんなアホさが可愛い。

 

「ありがとう。大丈夫だよ!」

 

優しさが身に染みる。

 

私は独りではないと自覚する瞬間。

 

大切な仲間がいる。

 

この日は声が枯れるまで騒ぎ続けた。